その一言

大げさな名前を付けたが内容は身近な例である。プロ野球の話である。
リーグでトップで勝ち負けの差が15あって、好調だったある球団が急に負けが込むようになる。ある試合を契機に。序盤で一方的に負けていた試合をだんだん差を縮めて結果として一点差で敗れた際の事である。試合後の監督インタビューで何と言った。記者「最後まで追い込みもう少しでしたね」監督「負ければしょうがない。意味がない。」翌日から負け続けた。一点差で勝っていながら最後のあと一人でサヨナラゲームで負けてしまって監督呆然という記事も載った。組織の問題として思うナインの気持ちを挫けさせた発言にあると思う。プロ野球もすべて勝つということはない。3月から始まり10月までに勝ち負けの差が20もあれば優勝に近づくのだ。150として85勝65敗0・566。序盤の失点を挽回すべく勝利に執着し、一点差まで追い込んだ打撃陣を称えることなく、「勝たなくてはしょうがない」と突き放してしまう指導者の言動をみて、選手は何のためにやっているのか、組織の勝利のためにやっているという目的意識を薄れさせてしまい、以後一方的な敗戦を繰り返してしまったのではないか。それと逆のことはWBCの王者になった日本の指導者たちだ。選手を信じ鼓舞し送り出した。全員の力を合わせ、劇的な逆転勝利を呼び世界の王者となったのだ。選手を鼓舞し組織を戦う集団にするためによく反省してもらいたい。