大リーグを見て

7月になってからテレビでアメリカ大リーグのテレビ中継を見ていて不思議に思ったことがあった。それはピッチャーがボールを投げバッターがバットを振った。そのボールがファールで後ろにいた球審に直接あたった。もちろん顔はプロテクターで保護されていたが、当たった衝撃はすごく脳震盪を起こしたのかうずくまったしまった。その時私が感動したのは守備側のキャッチャーなどが廻りを囲んで、大丈夫かと心配して介抱していたことだ。そのうちドクターらしき人が来て、審判を続けられるかを、片手を結んだり開いたりして、指が見えるかとかしばらく検査していて、それから試合続行となった。前に日本で同じような状況を見たような気がするが、その時は審判は痛がっていたが、捕手はすぐにピッチャーとキャッチボールをはじめ、試合に欠かせない重要な審判の痛みに無関心だった気がする。審判も選手も同じようにけがをすれば出場できなくなるし生活にも支障きたす、厳しい境遇である。それが連帯感でつながっているような気がする。審判団も大きな組織を作り、コミショナーと対等に交渉できる力もあるが、近い将来AIによる判定で仕事を奪われるかもしれない不安もある、大変な仕事である。最高のコンディションで最高のプレイを見せてお客ファンを楽しませてくれる使命の高さを選手や審判やドクターの真剣な態度から見させてもらった。かってのような軍事力や経済力の圧倒的な強さは影を潜めたが、こういった連帯感やひとたび事が起きればまとまる、アメリカ合衆国の強さを感じたのは私の妄想だろうか。